理学療法士は、赤ちゃんからお年寄りまで
あらゆる世代の身体の健康・病気・怪我、それぞれの状態を的確に評価して、
望ましい運動や物理療法を提案して関わる、そのひとが笑顔になることにコミットしています。
「理学療法」
=その人の身体機能を良好に保つことにより、自分らしい暮らしがいつまでも続けられる
ように援助する手段のひとつです。
理学療法士は、リハビリテーションに携わる
中で、障がい者の身体機能回復と残された機能の発揮、生活や社会復帰の支援をおこなってきました。その知識・技術・経験を活かして、健康を維持し向上すること、病気や怪我からひき起こされる障がいが起こらないように、また少なくすることに関心を持ち続け行動しています。
その手段と方法は、運動療法や物理療法(温熱・電気刺激・徒手や機械的刺激)など身体の状態を観察しながら強度を調整して望ましい効果が得られるように行います。
理学療法は、身体づくりと生活動作の専門家として、身体機能に着目してアプローチしますが、それはその対象となる人の心や気持ちを抜きにして語ることはできません。
二次的な「痛み」は心理的に強くなったり弱くなったりするのです。知識や技術は必要不可欠ですが、それを用いる理学療法士の「心」が大切です。教員は、人々に寄り添い思いやることのできるセラピストに成長できるように導くことをめざしています。
患者様・利用者様の状況は日々良くも悪くも変わっていきます。指示された内容の範囲でプログラムを変更し創意工夫をこらして対処していく力が要求されます。また指示されていない身体部位や症状の変化は医師に適格に報告し相談することも大切です。また、他の職種に相談して協力をもとめる力も要求されます。学生時代からそうした能力が備わるようにして就職後に新人の時から戦力になれるように導いていきます。
本学の教員は、専門職大学の設置に共感した様々な領域でキャリアを積んだエキスパートの集団です。理学療法の現場で蓄積し学んできた知識と実際の治療に用いて創意工夫を重ねてきた活きた技術を伝えたいと望んでいます。
また、理学療法や関連する分野における最新の情報を常にキャッチして多方面に関心が向けられるようにしています。
新人のセラピストは中堅スタッフとして新人や学生の実習指導にあたるようになります。そしてやがてチームのリーダーとなる日が訪れます。その時に迷わないようにソーシャルスキルやリーダーシップの基礎を学びます。近年、勤務の理学療法士から、起業する理学療法士も少なからず見かけるようになりました。専門職大学の本学ならでは、その時に役に立つ科目や教えが沢山あり、先輩理学療法士の体験談や現場見学の中で、将来の夢も描けるのではないでしょうか。
理学療法士が国家資格として誕生してから56年程と医療系の他職種に比べるとまだまだ歴史の浅い領域です。「身体に障害のある者に対し」ての理学療法として、リハビリテーション医学とその関連領域から多くのことを学び経験を積み重ねてきました。
そして、現在、もうひとつの大きな課題として、健康であり続けること、つまり、疾患や傷害を予防し障がいを減らし乗り越えられるように、そして虚弱や悪化、再発を防ぐことに理学療法士が取り組むようになってきました。
それだけ理学療法士に求められている社会的ニードはとても強く、少子高齢社会となっても人口減少が心配されるようになっても活躍する分野・領域は広大であるということです。
本学の理学療法学専攻は、そうした社会の要請に応えるために誕生したのであると捉えています。
10年20年先を見据えながら、地域や社会に貢献できる「自ら考え行動できる」そして「人々を笑顔にできる」理学療法士を養成していきたいのです。
経験豊かな教員は決まり切ったことを教え、それを学ぶのではなく、あなたが理学療法士になったとき、きっといつか役に立つであろういくつものエッセンスを用意して待っています。
建物でいえば土台となる基礎医学「人体構造学」「人体機能学」「運動学」などや教養として「心理学」などを学び、その上に柱を立てはじめます。
土台づくりは覚えることが多く大変ですが、これからの基盤となるのでしっかり学びます。
専門の科目としては、「理学療法概論」「基礎理学療法学」などがあり、「理学療法見学実習」で理学療法士の働く現場を知る機会があります。
柱がたくさん立ち梁も備わる時期です。
臨床医学とよばれる「整形外科学」「内科学」「神経内科学」など病院等で行われている医学を学びます。
専門科目では「評価にはじまり評価に終わる」と言われるほど大切な「理学療法評価学」の実習、「日常生活活動学」や「物理療法学実習」などで基礎な技術を学びます。
「理学療法体験実習」では、学んきた知識を現場で少しだけ体験できる機会があります。
関連領域では、現場で役に立つ「ソーシャルスキル論」「リーダーシップ論」、そして「医療経済学」「地方自治と生活」などの選択科目があります。
理学療法士が扱う疾患や傷害の多くは、
運動器(骨や筋肉など)や神経系(脳・脊髄、末梢神経など)です。
各々の病状や障がいに合わせた治療学「運動器障害理学療法学実習」「中枢神経障害理学療法学実習」や治療手技などについて学び理学療法の組立方や管理についても理解できるようになります。
関連領域では、「地域防災論」「発達障害児・者の現状と課題」などでその関わり方を学びます。
その総仕上げとして4週間の「理学療法評価学実習」では現場において理学療法士の指導を受けて学びます。
理学療法の業務には「チームワーク」が必要不可欠、「地域環境活動演習」「地域包括ケア演習」や「専門職連携総合演習」などで演習します。
臨床実習は、8週間2ヵ所の実習施設で「理学療法総合臨床実習」を行います。
最近の臨床実習は制度と方法が改善され臨床実習指導者が実習生の知識や技量を確認しながら教え実際にやってみせてくれる方式になったので安心してのぞめます。
そして「理学療法総合演習」で国家試験100%合格を目指します。
和歌山県にあり、地元の就職に強い、専門職大学という魅力にひかれて入学を決めました。先生方の講義はとても分かりやすく楽しいです。
他の大学から選りすぐりの先生を講義に呼んで下さる点も入学して良かったと思います。現在は生理学や解剖学に加え、比較的新しい科目である情報処理や老年学等も学んでいます。将来は和歌山県にある施設に入職したいと考えています。
骨を一つひとつ動かして適切な処置ができるプロの理学療法士なります。